2024年3月9日 講演会「シュルレアリスムと日本という場所」

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ページ番号4001866  更新日 2024年3月20日

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「シュルレアリスムと日本」展、連続講演シリーズの第1回目に展覧会を共同で企画した、三重県立美術館館長の速水豊さんをお招きしました。速水さんは本展でご紹介している古賀春江、福沢一郎をはじめとする画家たちの研究に加え、飯田操朗や浅原清隆の回顧展、日本におけるシュルレアリスムの受容に関する展覧会などを企画されてきました。
 

速水さん

今回は「シュルレアリスムと日本という場所−『シュルレアリスム簡約辞典』を手がかりに」と題してお話しいただきました。出発点となるのは、展覧会でもご紹介している『シュルレアリスム簡約辞典』。アンドレ・ブルトンとポール・エリュアールが手がけたこの本の裏には、日本とフランスをつなぐキーパーソンとして瀧口修造と山中散生がいました。同書の中では、日本におけるシュルレアリスムの展開例として今井滋、下郷羊雄、瀧口(鈴木)綾子、大塚耕二の作品が掲載されています。
※この辞典に掲載されている大塚耕二《トリリート》は「シュルレアリスムと日本展」で展示中です。

速水さん2

後半ではフランスにおける禅思想の紹介から、シュルレアリスムと禅に関する1937年、38年の福沢一郎、瀧口修造の言説まで幅広くお話しいただきました。
シュルレアリスムが誕生したフランスから遠く離れた日本という場所の思想、そして作品がキーパーソンたち、彼らの書簡や書物を通じて交換されていた状況が鮮やかに浮かび上がるような講演会でした。

速水さん、ご参加くださった皆様もありがとうございました。
「シュルレアリスムと日本」展は板橋のあと、三重県立美術館で開催されます。