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2016.03.08

講演会『子供之友』の画家たち

3月6日には、刈谷市美術館の松本育子さんにお越し頂き、「『子供之友』の画家たち」と題して現在開催中の展覧会について講演会を開催しました。

婦人之友社『子供之友』原画展は、松本さんが中心になって企画してくださいました。パワフルさと緻密さを持ち合わせる松本さんは、内藤ルネ展、宇野亜喜良展、井上洋介展など、数々の展覧会を手掛けてこられました。今回の展覧会も、松本さんの熱意と婦人之友社のご協力のおかげで実現したものです。なお、刈谷市美術館での開催は、来年の春を予定しています。

さて、講演会では、創刊号(1914年4月号)、震災記念号(1923年10月号)、1924年3月号の3冊を中心に、創刊から休刊する1943年までの表紙も通覧しながら、『子供之友』における画家たちの活躍についてじっくりお話いただきました。
今回の展覧会の調査で浮かび上がってきたことの一つは、『子供之友』で活躍した画家たちは、バトンタッチして徐々に世代交代していきましたが、どの時期においても、グラフィック力の高い画家たちが活躍していたことだそうです。画家たちが、タブローを描くときとは異なり、印刷というプロセスを経て発表されることを念頭に制作した跡が、原画から見て取れるとおっしゃっていました。また、『子供之友』の雑誌としての魅力を検証するためにも、画家や絵の面からだけでなく、作家や編集といった多面的な視点でとらえることも今後の課題としたいと締めくくられました。
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(撮影:大柳陽一)

講演会の日は、日中はお天気に恵まれ、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました(聴講約80人)。
今週は、お天気が崩れたり寒さがぶり返すこともありそうですが、美術館前の公園の梅は、見ごろを迎えています。展覧会もそろそろ中盤。みなさまのご来館をおまちしております。

2016.03.08

『子供之友』と武井武雄

婦人之友社『子供之友』原画展では、北澤楽天、竹久夢二、村山知義、武井武雄の4人の画家を中心に展示しています。今回は武井武雄を紹介しましょう。

こちらは、河井酔茗のリズミカルな詩に合わせて、風呂敷や箱の中から何が出てくるのか、まるで手品師のように披露してくれる男の子を描いた作品。デリケートな線描表現や子どもの表情には、この時期の武井らしい特徴が出ています。
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武井武雄「おみやげ」原画 『子供之友』1924年10月号 婦人之友社蔵

1920年代より童画家として多数の雑誌や書籍で活躍した武井にとって、そのスタート点にあたるのが『子供之友』における仕事です。同誌では1920年代を中心に活動しました。武井は戦災によって若い頃の作品の多くを失ってしまったため、本展で出品している1920年代の原画は大変貴重な作例です。ぜひ会場で、武井の繊細で美しい描線や、瑞々しい色彩を間近にじっくりとご覧ください。

現在の長野県岡谷市に生まれ育った武井は、東京美術学校時代から池袋近くに暮らしていました。戦中に郷里に疎開しますが、戦後は板橋区南常盤台にアトリエを構え、同地で亡くなるまで過ごしました。板橋区立美術館にとっては、区ゆかりの画家でもあります。

2016.03.05

赤塚の梅が咲いています

こんにちは。

日を追うごとに春らしくなってきました。今日はくもりなので写真うつりは今ひとつですが、

美術館の前の梅はだいぶ花開いてきました。

長い冬を耐えて咲き誇る梅の姿は、同じように寒さにふるえてきた私たちに響くものがあります。

美術館にお出かけの際には、ぜひ赤塚の梅を愛でて春を感じて下さいね。

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2016.03.05

『子供之友』のしかけ

1910年代後半(大正時代半ば)、『子供之友』にはさまざまな「しかけ」が用いられていました。
この時期を通じて見られるのが、「観音開き」や「片面開き」といったページが広がるしかけです。
さらに、1917年(大正6)の一時期には、ポップアップやジャバラ本といった手の込んだしかけも見られます。

展覧会場では、この時期の原画と雑誌を展示して、北澤楽天をはじめとした画家たちが筆をふるった『子供之友』のしかけを紹介しています。
さらに、会場の一角には映像も用意しており、ページの転換の仕方やポップアップが立ち上がる様子などを、動画でご覧いただけます。
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2016.03.01

中島京子さん講演会

2月27日、作家の中島京子さんによる講演会「子どもの本と『小さいおうち』の時代」を開催しました。

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中島さんの『小さいおうち』(直木賞受賞)は、昭和初期の家庭を女中の目を通して描いた名作です。モダンな住宅、会社員のやさしい旦那様、美しい奥様、かわいい坊ちゃん、そして気の利く女中。当時新しく台頭した中間層の家庭が小説の舞台です。戦争が近づく時代ではありますが、作品中には豊かな都市文化も丁寧に描写されています。

『小さいおうち』の時代に重なるのは『子供之友』の後半期ですが、講演会では、国木田独歩の『武蔵野』を導入に、日本の近代以降の都市や郊外の形成、そして都市文化や「大衆」の成立からお話が始まりました。また、そうした時代に創刊された『子供之友』を見ると、第一線の画家たちが素晴らしい作品を残し、いかに子どもたちを大事にして情操教育を重視していたことがよく分かると驚かれていました。しかし、『小さいおうち』にも描かれる戦中期に入ると、『子供之友』も厳しい時期を迎えます。休刊を余儀なくされる頃には、誌面に時局が表れることも指摘されました。

自由学園や当時の雑誌文化、さらに小説中のエピソードにも触れながら、大正~昭和の時代をふりかえる講演となり、『子供之友』から現代の私たちが学ぶべきたくさんのことに気づかせてもらいました。(聴講約60名)

板橋区立美術館のあたりには、中島さんが幼い頃に親しんだ懐かしい風景が残っているとのこと。
美術館前の公園では、そろそろ梅も見ごろを迎えます。植物園も近くにありますので、お天気のいい日には、お散歩もおすすめです。

2016.02.28

ひよこ・たぬきアトリエ「イーゼル人間をつくろう!」

本日、ひよこ・たぬきアトリエ「イーゼル人間をつくろう!」が開催されました。
講師は、アートディレクターの柿木原政広さんです。

最初に、柿木原先生のお仕事でもある「デザイナー」ってどんなことをするのかな?というお話から始まり、美術館のポスターのデザインなど、たくさんの仕事を写真で見せていただきました。

そして、作り方の説明の後、いよいよ制作へ。

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まずは白い大きな画用紙に顔をつくります。

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顔がある程度できあがったら、イーゼルに貼り着けていきます。
高さやバランスを見ながら、体や手足を付けたり、髪の毛を付けたり、お洋服を作ったりしながら、たくさんの「イーゼル人間」ができあがりました。ポスターの柄をうまく使ってコラージュしていた方も多く見受けられました。

完成後は、美術館前の公園で記念撮影。晴天にめぐまれ、梅の花が咲く中、良い写真が撮れました!

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残念ながらイーゼルはお持ち帰りいただけませんでしたが、今日作った顔やパーツを使って、おうちでもぜひ、「○○人間」を作ってみてください!

なお本日、ひよこアトリエ(午前の部)で、ケーブルテレビ「J:COM」の取材がありましたが、そのようすは、3月1日(火)に放送予定です。

2016.02.23

『子供之友』原画展 展覧会場より

本日は曇り空の展覧会3日目。
会場では、約150点の原画をじっくりとご覧いただけます。
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展覧会場の真ん中には、かわいらしい子どもたちが!
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これは、愛知学泉大学の学生さんたちが、卒業制作として、『子供之友』に掲載された子どもたちの衣装を再現したものです。
素材や細部にもこだわって、丁寧に作られていて、雑誌の中から飛び出してきたようです。
左のカラフルな2人の子どもは竹久夢二の「きまぐれ竹の子」、右の紺色の服の女の子は、武井武雄の「さくら」、奥に座っている女の子は村山知義による1924年8月号の表紙より。いずれの作品も、原画を展示しています。

2016.02.20

『子供之友』原画展 はじまりました!

本日2月20日より「描かれた大正モダン・キッズ 婦人之友社『子供之友』原画展」が始まりました。

美術館の入り口も『子供之友』の表紙でいっぱい!梅も彩りを加えてくれています。
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これは開館前のスタッフ打ち合わせの様子。
展覧会担当者がスタッフに説明をしています。
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今回の展覧会では図録も用意しています。
一冊1800円!展覧会場限定での販売です。
展示作品をおうちでもお楽しみいただけます。
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展覧会は3月27日(日)まで!

展示を見たらカフェ・ボローニャでおいしいパンもお召し上がりいただけます!

2016.02.19

『子供之友』における竹久夢二

大正期に一大ブームを巻き起こした竹久夢二。
子どもに向けた仕事にも力を注ぎ、『子供之友』には、1914年の創刊号から何度か中断を挟みながら1934年まで絵を寄せました。
「婦人之友社『子供之友』原画展」では、夢二による原画のほか附録の双六もご紹介します。

 

下の図版は創刊翌年に掲載された「花ひらく」の原画です。
子どもたちが手をつないで輪になる構図は、夢二が繰り返し描いたものです。
本作品は、繊細な線描が美しく、飾り罫には鉛筆の柔らかな質感も生かされています。
竹久夢二「花ひらく」原画 『子供之友』1915年4月号 婦人之友社蔵
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また、夢二は色彩のセンスも抜群です。
原画の中には、印刷時の色の指定が余白に書きこまれているものもあります。

 

1928年に初めて担当した表紙では、水彩の筆致を生かした大らかな表現も見られます。
竹久夢二 表紙原画 『子供之友』1928年12月号 婦人之友社所蔵
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その後、欧米など巡って帰国した夢二は、1934年にも表紙を担当することになりますが、
病状の悪化により7月号から深沢紅子に引き継がれました。
本展では、『子供之友』における夢二最後の作品となった同年6月号の表紙原画も紹介します。

2016.02.17

『子供之友』原画展 展示作業中です!

今週末の土曜日、2月20日より「婦人之友社『子供之友』原画展」が始まります。

今日から展示作業が始まりました。

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原画と共に当時の雑誌も展示します。
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1階では「カフェボローニャ」の準備も進んでいます。
おいしいパンをお召し上がりいただける他、絵本やグッズもお求めいただけます。
『子供之友』に掲載された絵をつかった絵はがきやカード、
原画を手がけた画家の1人、竹久夢二のタオルやマスキングテープもありますよ。
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お楽しみに!!!