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2016.07.10

三浦太郎さん講演会

今年ボローニャ展が開催50回を迎えたのを記念して、歴代の審査員による連続講演会を開催します。初回の本日は、今年の審査員を努めた三浦太郎さんにお越しいただきました。講演会は、当館副館長の松岡がお相手となり、対談形式で進められました。
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三浦さんは、板橋でご覧になったボローニャ展をきっかけに絵本作家としての道を歩み始めたということもあり、当館にとっても特別な作家さんです。今日のお話は、ご自身がボローニャ展に応募していた時代のことから始まりました。初入選を機に初めてボローニャのブックフェアを訪れ、2年後の2度目の入選時にボローニャでスイスやイタリアの出版社との出会いがあり、初めての絵本を出すことになりました。その後も海外での出版や日本での出版を重ね、人気絵本作家として活躍されています。
そして、今年の審査のお話へ。ボローニャ展は、毎年国籍の異なる5人の審査員が一緒にボローニャに集まって選考します。この5人は毎年入れ替わり、イラストレーターやアーティスト、編集者、評論家やイラストレーションの先生など、多方面の専門家たちで構成されます。毎年、3日間の審査では、単なる多数決ではなく、議論しながら選考を進めてゆきます。三浦さんもいくつか図版を挙げながら、今年の審査について詳しくお話くださいました。

その後、お話はご自身の新しい活動に移ってゆきました。三浦さんは今年の春、イタリアに数日滞在して大きな作品を5点を作りました。それらは2013年に出版された『ワークマンステンシル』の頃から考えていたアイデアだそうで、絵本にとどまることなく、制作の幅を広げていらっしゃる様子をお話くださいました。最後には、昨日まで開催していた「夏のアトリエ」のこともご紹介いただきました。

三浦さんが今年の審査員の立場として再びこの展覧会に関わることになったというのは、ボローニャ展が新しい作家と出版社の出会いの場となっていることを象徴しているようでもあります。さらに、さまざまな出会いが新たな制作へとつながっているのも、またボローニャらしいように思います。(聴講約60名)
講演会終了後にはサイン会となりました。絵本によって違う絵を描いてくださるので、みなさん大喜びです。

なお、ボローニャ展会期中の下記の期間、三浦さんの個展が開催されます。春にイタリアで行ったワークショップをきかっけにした、三浦さんの新たな作品を見られる機会です。どうぞお楽しみに!
◎ ピンポイントギャラリー(青山)
三浦太郎展 紙の彫刻 『PAPER CITY』
2016年8月1日~6日
電話:03-3409-8268
pinpointgallery.com
バージョン 2

2016.07.10

特別展示パネル 50枚の絵

先日のこのページにも書きましたが、今年の特別展示コーナーの絵を描いてくださった渡辺美智雄さんの絵の紹介を少し。
50枚の絵は、クマとネズミが電車でボローニャに来るところから始まるのですが、最初の絵はサン・ルーカというボローニャの小高い丘にある教会です。電車からこの教会が見えると、「ボローニャに着いたなー」と感じます。
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そして、下の写真の中央にあるのは、ボローニャの文字通り中心であるサン・ペトロニオ教会です。この教会に面したマッジョーレ広場には、市庁舎や王宮も集まっていて、いつもボローニャ人や観光客たちで賑わっています。今回の展示でも、マッジョーレ広場の絵は展示室のまさに中央にあります。
クマとネズミは市場を歩いたり、公園を散歩したり、ボローニャを満喫しています。
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後半には、ブックフェアのゲートをくぐって、ボローニャ展を見たり、出版社とミーティングしたり、イラストレーターズカフェでトークイベントを聞いたりする様子が描かれます。
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50年間のボローニャ展のあゆみとともに、渡辺さんの絵を見ながら、ボローニャを楽しんでみてください。

なお、下赤塚のカフェ・レストランでは、今回の渡辺さんの絵を小さな額装にした個展が開催されています。お店の雰囲気とぴったり合って、とっても素敵な空間になっています。美味しいピザやイタリア料理とともにお楽しみください。
・レストラン カフェ クラリ(下赤塚)
「クラリ1周年記念 渡辺美智雄展」
7月2日〜8月14日 日曜、第1・3月曜定休 電話:03-4283-0715
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2016.07.10

夏のアトリエ5日目

夏のアトリエ5日目、最終日。4日目に発表された課題をお昼過ぎから発表することになるので、午前中は引き続き制作です。1メートル×2メートルの大画面、埋めるだけでも大変な作業です。紙を壁に貼ったり、床に広げたり、中にはあえて机で一部分ずつ描く人も。最後の課題は、普段、大きな絵を描いていない人にとっては、思いがけない挑戦だったかもしれません。
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みなさんが制作している間、初日から最終日まで、三浦さんは参加者一人一人と話をする時間もとってくれました。作品ファイルを丁寧に見ながらアドバイスしたり、制作に関して相談に乗ったり、それぞれの活動にも向き合ってくれたようです。この面談後に制作の方向性を変えた人や、大きな転機になったという人もいました。

そしてお昼過ぎ、まさにアトリエと化した部屋を大急ぎで片付けて、最後の発表の時間です。
壁には隙間なくみなさんの作品が貼り出されました。
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3日目までの課題も一緒に見せながら、4つの異なる課題にどのように取り組んだのか、各自が5日間の制作を振り返りました。自分の癖や枠を取り払おうとしたり、いつもとは違うスタイルに挑戦した人もいて、並べて見ることで5日間に大きな飛躍や変化が感じられることもありました。課題によっては相当苦戦した参加者もいたと思いますし、自分の作品に満足できなかった人もいたようですが、むしろそういう人の方が得るものが大きかったのかもしれないと三浦さんはおっしゃっていました。
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三浦さんにとっても連続講座で講師を務めるのは初めてのことだったそうですが、4つの課題は、内容もその組み合わせも、少しずつ発想力を高めながら瞬発力を鍛えてゆくのにぴったりだったのではないでしょうか。また、参加者それぞれの目指すところをしっかりと理解したうえで、温かく指導をしてくださいました。本当にありがとうございました。
キャリアも年齢もスタイルもまったく異なる19人。全員が5日間で同じ課題に向き合いましたが、それぞれこのアトリエで感じたことや学んだものは違うかもしれませんね。みなさんのこれからのご活躍を期待しています。

2016.07.08

夏のアトリエ4日目

夏のアトリエ4日目。今朝は三浦さんから最終課題が出ました。
4つ目の課題は、自分の背丈より大きな1.1×2.0メートルの画用紙に描くというものです。

一気に描く画面が大きくなりました。
昨日までの課題は紙をめくったり折ったり、または巻物のような長い紙に描いて、展開を考えるものでした。
これまでの経験を踏まえ、紙の大きさを生かした表現をしていきます。
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それぞれアイデアを練ってから、紙を壁にはったり、床に広げて描き始めました。
墨一色の表現や、多くの色を使ったたらし込みなど、技法は様々です。
明日午後の発表に向け、今日は1日制作でした。

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皆さん新たな課題に集中して取り組まれ、アトリエには熱気が満ちていました。

夏のアトリエもいよいよ明日が最終日、暑さに負けずに頑張りましょう。

2016.07.08

パツォウスカーからのメッセージ

ボローニャ展50回目に際して、チェコのイラストレーター、クヴィエタ・パツォウスカーがメッセージを寄せてくれました。すでにメッセージの画像をパネルにして展示していましたが、郵送で実物が届きました。展示室でご紹介しますので、こちらもお楽しみに。
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日本でも大人気のパツォウスカーですが、彼女の作品はボローニャ展の初期から何度も出品され、ご本人にとっても特別な思いがあるのではないでしょうか。今年のボローニャ展にも来ていて、あっという間にファンに囲まれていました。ちなみに、現在夏のアトリエ講師を務めている三浦太郎さんもパツォウスカーのファンだそうです。
ボローニャのブックフェアは、有名作家も若手イラストレーターも、世界中から絵本にかかわる人たちが集まり、さまざまな出会いがある場所なのです。

2016.07.07

夏のアトリエ3日目

夏のアトリエ3日目。今日も一つの課題に向かっての制作です。
3つ目の課題は、絵巻物のような幅30センチの長さ約2メートルの紙に描くというもの。1日目・2日目の課題のようにめくったり折ったりして転換する場面を考えるエクササイズとは異なり、紙の長さをうまく生かした絵を描くことになります。
三浦さんがイタリアで最初に出版した『Ton』は、実はダミー本の段階ではジャバラ絵本だったそうで、実物を見せてくださいました。ページをめくって見るのもおもしろいのですが、さまざまな重さを表す絵が横にずらりと並んでいるのも壮観です。
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今日も3時からの発表に向けて、長くて白い画面を前に悩んだり、スケッチブックにアイデアを描いたり、下書き用の紙を切ったり、3日目の作業が始まりました。
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そして、今日もお昼すぎにはみんなで展示室へ。昨日に引き続き、ボローニャ展を三浦さんや参加者と一緒に見ました。仲間とともに、一つの作品をさまざまな視点から捉えられるのも、夏のアトリエならではの刺激ですね。
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3時、発表の時間です。長いモチーフを描いた人、時間経過を長い画面に表した人、異時同図のように物語を表現した人、コンセプチュアルな作品に仕上げた人、グラフィカルな絵で視覚的なおもしろさを追求した人・・・長い画面を生かしながら、自身の関心やスタイルに落とし込んでくれました。
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今回は画面が大きいということもあり、最後まで完成しなかった人もいますが、みなさん自分のコンセプトや、実体験など、作品にまつわるさまざまなことを話しながら発表してくれました。三浦さんも自身の感想やアドバイスをどんどんお話くださいます。制作と発表を繰り返すことで、課題に取り組む姿勢にも変化が出てきたように思います。

明日はいよいよ最後の課題です。すでにアトリエで鍛えられて瞬発力がついている参加者もいるようです。猛暑に負けずに、4日目も頑張ってください。

2016.07.07

ボローニャ展の関連展も開催

都内各地でボローニャ展入選経験者による展示が行われます。くわしくはこちら
下記のイベントはすでに始まっていますので、お見逃しなく!板橋区立美術館の展覧会とあわせておたのしみください。

◎ カフェ&ギャラリー パティナ(成増)
イランの絵本展Vol.3 〜詩にまつわる絵本たち〜
2016年7月4日~18日 水曜・第1木曜定休
電話:03-6909-9524 cafepatina.wix.com/rabbit
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イランのイラストレーターは、長年にわたりボローニャ展には欠かせない存在となっており、今年も5人の個性豊かなイラストレーターが入選しています。「詩の国」とも呼ばれるイランならではの魅力的な絵本をご覧いただけます。絵本や小物の販売もあります。成増駅近くのカフェギャラリーで開催中。

◎ アートスペース88(国立)
大越順子銅版画展「開演10分前」
2016年7月7日~7月12日
電話:042-577-2011 artspace88.jimdo.com
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こちらは今日7日から始まった、今年入選した大越順子さんの個展。国立駅近くのギャラリーです。板橋区立美術館では大越さんの5点の入選作品をご紹介しています。銅版画によるモノクロの奥深い色調は、ぜひ間近にご覧下さい。

2016.07.06

夏のアトリエ2日目

夏のアトリエ2日目。昨日すっかり打ち解けた参加者たちですが、これから出てくる課題を前に、みなさんちょっと緊張していたのでしょうか、朝は意外にもシーンと張り詰めていました。
そして、三浦さんから今日の課題が発表されました。昨日と同じ画用紙を2枚つなげて、長い画面をつくります。それを折って、両面開き(観音開き)や片面開き(片側観音開き)など、ページが広がるしかけの場面を作るというもの。1日目の課題では同じ形の画面を転換させましたが、2日目の課題は、画面の大きさの変化などが加わり、折り方や紙の向きによってさまざまな可能性が考えられます。今日も3時からの発表に向けて、参加者のみなさんは即座にアイデアを練り始め、黙々と作業。時間制限の中で作業をすることで、瞬発力も鍛えてゆきます。
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お昼休憩の後、制作途中ではありましたが、三浦さんと参加者全員でボローニャ展を一緒に見る時間を作りました。三浦さんは今年の審査員の一人です。選考時に議論になった作品や、三浦さんが推した作品、他の審査員の視点などもお話くださいました。一人でじっくりと展覧会を見るのもいいと思いますが、みんなで一緒に見るのも楽しいものです。
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3時、発表の時間です。横に開いたり、上や下に伸びたり、左右に開いたり、さまざまなしかけを生かした作品ができあがりました。思いがけない展開に、見ている参加者から歓声があがることも。昨日の課題とつなげた作品にした人や、前後の物語を想像しながら制作した人もいて、絵本に発展してゆく可能性もあるかもしれませんね。
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自分の描きたいものをしかけの場面に落とし込むのに悩んだり、作品を完成させても納得いかずにもう一つ作っていた参加者もいましたが、一つの課題に対してたくさんのアイデア出してゆくのも必要なこと、と三浦さんもコメントしていました。
明日はどんな課題が出てくるのでしょうか?お楽しみに!

2016.07.05

夏のアトリエ1日目

本日「夏のアトリエ」が始まりました。
毎年夏に開催する、イラストレーター、又はイラストレーターを目指す方向けの連続講座で、今年で19回目となります。今年のテーマは「絵本発想力」です。
講師は絵本作家の三浦太郎さん。イラストレーションの仕事をしていた三浦さんが初めて板橋区立美術館でボローニャ展を見たのは1999年のことでした。その後、続けて入選し、2004年以降は海外や日本で多くの絵本を出版しています。今年はボローニャ展の審査員を努め、4月には三浦さんの絵本を出版しているイタリアのコッライーニ出版の画廊に数日間滞在して大きな作品を制作するなど、活動の幅を広げています。

初日の今日は、まず、三浦さんがご自身のキャリアや作品を紹介してくださいました。大人気絵本『くっついた』をはじめ、三浦さんの赤ちゃん向けの絵本は、当時生まれたばかりのお子さんとのコミュニケーションの中から発想されたものです。自分の体験から生まれたからこそリアリティのあるものになったのだそうです。今回のアトリエのテーマは「発想力」ですが、それをリアリティのあるものにするのは各自の体験に基づいた理由付けです。そしてそれは、自分自身がぶれずに制作を続けてゆくためにも大切なことだとおっしゃっていました。
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その後、19人の参加者が自己紹介をしました。みなさん、自身のキャリアや絵本との出会い、好きなモチーフなどを語ってくれました。5日間の仲間たちがお互いを知るきっかけにもなったのではないでしょうか。

午後には、三浦さんから出された1つ目の課題に取り組みました。1枚の白い画用紙の表裏に絵を描き、ページをめくるように、紙をひっくり返して表と裏の絵を転換させるというもの。言葉もなく、単にひっくり返すだけでシンプルに伝えなければなりません。制作時間は1時間ちょっと。突然の課題でしたが、時間がないからこそ、発想できた人もいたのではないでしょうか。3時からの発表では、アイデアも技法もさまざまな作品が出そろいました。三浦さんや参加者からの意見も参考になったと思います。中には、絵本に発展できそうなアイデアも。

今回は、いくつかの課題が出て、それに対して各自で挑戦することになります。事前に課題は発表しません。三浦さんによれば、課題に次々に取り組んでゆく「瞬発力」を鍛えるのも大事なこと。5日間で様々な課題に挑むことは自信にもつながりそうですね。

明日の朝もまた新たな課題が出ます。
土曜日まで続く連続講座、体調に気をつけて充実した5日間になりますように!

2016.07.03

ボローニャ展50年のあゆみ 

今年の特別展示は「ボローニャ展50年の歩み」。イタリアでの開催が50回を迎えたことを記念して、ボローニャ展のあゆみをパネルでご紹介しています。
1年ごとのパネルに、各年の入選者数や入選作品の図版や写真、トピックを掲載しています。リピーターのお客さまには、なつかしい図版がたくさんありそうです。
1967年、ブックフェア会場で始まったイラストレーターの展覧会は、76年にはコンペ形式となって専門家が審査するようになり、現在に至ります。応募作品は年々増え、現在では世界60カ国3000もの作品から入選作品が選ばれます。
時代に合わせて変化しながら、50年間にわたって毎年新たな作品を紹介しつづけてきたボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアとボローニャ展は、世界の子どもの本の半世紀を映し出しています。
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各年のパネルの下部の絵は、イラストレーターの渡辺美智雄さんによるもの。ネズミとクマが、ボローニャを訪れる様子が描かれています。
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渡辺さんは、これまでにボローニャに3回入選し、ボローニャでの売り込みをきっかけに、今年フランスから2冊の絵本を出版しました。50枚のパネルには、ボローニャの観光名所やブックフェアが描かれ、実際にボローニャを訪れた渡辺さんらしい絵が展開しています。ブックフェア事務局長のエレナさんも、渡辺さんの作品に大喜びでした。

ボローニャ展の会期中には下記でも渡辺さんの展示が行われています。(それおぞれのお店のお休みなどは、直接お問い合わせください)

・絵本の古本と木のおもちゃ 貝の小鳥(目白)
渡辺美智雄「えほん到着!from France」展 
7月16日〜31日 火曜日定休
電話:03-5996-1193

・レストラン カフェ クラリ(下赤塚)
「クラリ1周年記念 渡辺美智雄展」
7月2日〜8月14日 日曜、第1・3月曜定休
電話:03-4283-0715