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2016.08.07

末盛千枝子さん講演会

本日は、ボローニャ展50回記念連続講演会「ボローニャとわたし」の最終回、末盛千枝子さんにお越しいただきました。末盛さんは長く絵本の編集者をされ、現在は3.11絵本プロジェクトいわて代表として活躍されています。1980年代から長くボローニャ・ブックフェアに編集者として毎年通っていらっしゃいました。本日は、末盛さんのボローニャにおけるご活躍や思い出をたっぷりとお話いただきました。
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絵本の編集者として仕事をしていた末盛さんは、結婚を機に退社されましたが、その後、出産・子育て、さらに夫との死別を経て、再び編集の仕事を始められました。そして、1985年に初めてボローニャ・ブックフェアを訪れ、翌年には編集された絵本『あさ』がグラフィック賞(ラガッツィ賞の前身)を受賞されました。
また、末盛さんは1998年に審査員を努めております。審査にあたり、当時の事務局長フランチェスカ・フェッラーリから、多数決では決めない、他の審査員と意見が異なる場合は徹底的に議論して説得するように、と言われ、ご自身にとってもとても大きな経験になったそうです。
そのほかにも、ブックフェアでは世界中の編集者や作家たちと、仕事のつきあいだけでなく、語り合い情報交換をされたそうで、楽しいエピソードや心温まる思い出をたくさんお話くださいました。当館副館長の松岡は末盛さんと25年ほど前からのおつきあいになり、二人でボローニャでの”珍談”も披露してくれました。
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末盛さんは2010年に岩手に移住され、ほどなくして東日本大震災に遭われました。被災直後から、なんとか子どもたちを励ましたいと思い立ち、被災地の子どもたちに絵本を送る活動を始め、現在プロジェクトの代表を努めていらっしゃいます。1986年に『あさ』がボローニャで受賞したとき、「この賞は賞金も出ないけれど、この賞があなた方の仕事の助けになりますように」と当時のブックフェア専務取締役が授賞式で述べたそうですが、それは今の末盛さんのご活動にまでつながっているとおっしゃっていました。

末盛さんは大変お忙しい中、岩手から日帰りで来てくださいました。
暑い日が続きますが、講演会には多くの方にお越しいただき、講演会終了後はご著書にサインを求める長い列ができていました。(聴講約80名)

2016.08.07

夏のアトリエから生まれた絵本作家たち

「夏のアトリエ」は、ボローニャ展恒例のイラストレーター向けのワークショップです。毎年夏の5日間、アーティストや編集者が講師となり、約20名の参加者が集まります。8月6日には、2006年のポール・コックスのアトリエから今年で10年となったのを記念して、”ポール組”有志のみなさんに再結集してもらい、トークイベントを開催しました。

トークは、石川志保さんの司会進行で、まず夏のアトリエやポール・コックスの仕事について説明いただき、ポールからのビデオメッセージを披露していただきました。ポールにとっても夏のアトリエが特別なものであったそうで、10年前の熱い5日間が思い出されました。
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その後、石川志保さん、渋谷純子さん、内田早苗さん、渡邊千夏さん、岡村志満子さんが、それぞれ、夏のアトリエの経験とご自身の作品や活動について具体的にお話しくださいました。受講当時は出版歴のない方が多かったのですが、現在では5人とも国内や海外で絵本を出版して活躍していらっしゃいます。絵本を作るまでにはさまざまな困難や悩みもあったようですが、5日間でいくつもの課題に向き合やったこと、ポールの思考に触れたこと、そして素晴らしい仲間を得たことが、制作を続ける上での大きな励みになったと語ってくださいました。
最後には、トーク中には登壇されなかった方も含めて15人の“ポール組”のみなさんに前に出てもらい、現在の仕事や、夏のアトリエの思い出、そこで得たことについて、お話しいただきました。
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ポール・コックスのワークショップの機会に偶然集まった、キャリアも年齢も目指すところも異なるみなさんが、大切な仲間となり、励まし合って10年間制作を続けてきた姿を見せてくださいました。それは、当館としても大変嬉しいことです。ありがとうございました。(聴講約50名)

美術館入り口付近から講演会場までの壁には、カード型の絵をつなげてゆくポール組による2007年の作品が貼りだされ、会場の中では、トークの前後に参加型のワークショップも行われました。来場者に描いてもらった絵をつなげて貼って、大きな作品や長い作品が出来上がるというもの。一人ひとりの絵をつなげてゆくことで、ストーリー性を感じさせたり、思わぬ効果を生み出したりするという、ポール組らしい発想です。
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会場の周囲には、各自のポートフォリオや絵本や作品などが並べられ、1日かぎりではありますが、まるでグループ展会場のようになりました。

みなさんのこれからのますますの活躍を期待しています。
なおポール組10周年のサイトで、それぞれの活動を紹介しています。
https://les26blog.wordpress.com/

2016.08.05

8月6日のトークとワークショップのお知らせ

フランスのアーティスト、ポール・コックスが講師を務めた「夏のアトリエ」から10年。アトリエで受けた刺激とその後の活動を“ポール組”の参加者たちがお話しします。偶然出会った仲間たちですが、切磋琢磨しながらそれぞれの活動をつづけ、絵本を出版したり、活動の幅を広げたり。2006年の熱い「夏のアトリエ」の記憶がよみがえります。フランスから届いたポールのビデオメッセージも紹介します。お楽しみに!

「夏のアトリエから生まれた絵本作家たち」
2016年8月6日(土) 14:00~15:30
講師:渋谷純子(絵本作家・グラフィックデザイナー)/内田早苗(絵本作家・イラストレーター)/石川志保(絵本作家・CMプランナー・アートディレクター)
先着100名・申込不要・聴講無料・板橋区立美術館1F講義室にて

 

さらに当日はトークの前後に同じ会場で、ポール組によるワークショップも開催します。
誰でも短時間で参加できますので、どうぞ気軽に1F講義室にお立ちよりください。
(12:00~14:00、15:30~17:00 随時参加できます)
指定されたテーマに沿って小さな紙に絵をかいてもらい、どんどんつなげてゆきます。どんな作品ができるのでしょうか。お子さんも大歓迎です。

 

ポール・コックスは、ヨーロッパを中心に活躍していますが、昨年は北陸新幹線開通時のイラストレーションを手掛けるなど、日本でも大人気のアーティストです。
板橋区立美術館では2006年に「夏のアトリエ」で講師を努め、また2015年のボローニャ展のポスターの絵を描いてくれました。このピノッキオ、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
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2016.08.05

三浦太郎さんの関連企画展

板橋区立美術館のボローニャ展期間中の関連企画展として、三浦太郎さんの展覧会が開催中です。6日(土)までです!
◎ ピンポイントギャラリー(青山)
三浦太郎展 紙の彫刻 『PAPER CITY』
2016年8月1日~6日
電話:03-3409-8268
pinpointgallery.com
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紙は薄いものですが、二つに折ったりつなげたりすれば自立します。今回の展覧会では、カラフルなたくさんの建物や人々が立ち並ぶインスタレーション作品が見られます。来場者が参加できるコーナーもありますよ。
今年の春にイタリアで行ったワークショップ「紙の町を作ろう」のアイデアをベースにしたもので、近年表現の幅をますます広げている三浦さんの新たな作品をお楽しみください!
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ピンポイントギャラリーへは、表参道駅B3・B1出口から数分です。

2016.08.02

ティーンズ 絵本のアトリエ 1日目

本日から中高生のための絵本講座、「ティーンズ 絵本のアトリエ」が始まりました。
今年で8回目になりました。
今週と来週の火曜日、全2日間のプログラムです。
講師は横浜美術大学准教授の宮崎詞美さんです。

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初めにまず自己紹介をして、各々持参した好きな絵本や漫画を見せ合いました。
そのあと先生が持ってきてくださったワークシートを切り貼りして、「豆本ハンドブック」作りをしました。実際に豆本を作ってみることで、見開き、見返し、奥付け、寒冷紗など、本の基本的な構造を覚えます。
また画面の中での主人公の動きや、ページ展開の基本、文字とイラストレーションの関係などについて学びました。

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今回の講座では5見開きの絵本を作ります。
テーマやストーリー、台割、どんな人に読んでほしいか等のプランを練り、アイデアスケッチを描きました。
みんな色々な絵本を見てみながら、黙々と集中してスケッチしていました。

アイデアスケッチがまとまってきたら、本番と同じサイズの紙を束にしてラフスケッチでダミー本を作り、ページ展開を確認します。
ダミー本作りと、画用紙に1〜2見開きのイラストレーションを描いてみることが、来週までの宿題になりました。
今回中学1年生から高校2年生が参加してくれています。どんな絵本ができるのでしょうか。
続きはまた来週です!

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2016.07.31

広松由希子さんと松岡希代子副館長の対談

本日は、ボローニャ展50回記念連続講演会4回目、広松由希子さんにお越しいただきました。絵本研究者の広松さんは、ちひろ美術館勤務を経て、現在は絵本の評論や展覧会の企画、絵本のテキストなども手がけていらしゃいます。またボローニャ展やBIB展(ブラティスラヴァ世界絵本原画展)の審査員もされるなど国際的にも活躍され、BIB展の日本巡回展のコーディネーターをされていらっしゃいます。板橋区立美術館のボローニャ展においても、毎年「夏の教室」のコーディネートや講演会の講師などを務めてくださっています。
本日は、当館副館長でボローニャ展担当者の松岡希代子がお相手となり、対談形式となりました。松岡は1989年よりボローニャ展の担当となり、2005年・2006年には審査員も努めました。講演会では、松岡がボローニャ展の歴史をお話し、広松さんに各時代の背景などを解説をしていただきながら進めてゆきました。
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1964年ボローニャ・ブックフェアが始まり、第4回目の1967年にイラストレーター展(ボローニャ展)が初めて開催されました。同じ年にチェコスロヴァキアでBIB展も始まり、さらにその1年前には国際アンデルセン賞画家賞も創設されました。東西冷戦のまっただ中ではありましたが、子どもの本のイラストレーションに対する関心が高まった時期なのかもしれません。
コンペ形式となったのは1976年です。その第1回目からイタリア以外の専門家も審査団に含まれ、編集者のほか美術館館長や教育学の研究者なども参加し、当初から幅広い視点で審査されれていたことが想像されます。そして、西宮市大谷記念美術館で初めて日本巡回展が始まったのが1978年、その3年後には板橋区立美術館にも巡回します。公立美術館でも絵本原画展が開催されるようになった背景には、1970年代後半の日本における絵本ブームがあったことを広松さんがご指摘くださいました。
その後、参加型の展覧会であるという認識も広まり、日本からの応募や入選者も増えてゆきました。そして、ボローニャと日本の関係はますます深まり、近年ではボローニャ・ブックフェアの期間を利用して、日本の絵本を紹介するさまざなイベントも行われています。
広松さんが初めてボローニャにいらしたのは1996年、ちょうどイラストレーター展30周年の時でした。有名な絵本作家や編集者が集まったパーティに同席されたときのエピソードもお話くださいました。その後もボローニャ・ブックフェアには頻繁に足を運ばれていますが、広松さんにとってボローニャは、凝り固まったものをほぐしてくれる場でもあるそうです。日本国内でも大量の絵本をご覧になっている広松さんですが、春にボローニャで各国の動向やさまざまな試みに触れることは、ご自身にとっても幅を広げてくれる機会なのだそうです。
最後に、BIB展のこともご紹介くださいました。ボローニャ展とBIB展の両方の審査にも参加され、意義や2つの違いについてもお話くださいました。
ボローニャ展50回の歴史をじっくりとご紹介しつつ、広松さんと松岡の息のあったトークで、和やかな講演会となりました。(聴講約40人)

本日は一時的に雷雨にも見舞われましたが、梅雨明け後、東京も夏らしいお天気が続いています。7月最後の日曜日、展示室も多くのお客様でにぎわっていました。

なお、ボローニャとBIB、50年を迎えた2つの重要な展覧会、いずれも日本に巡回しています。現在は板橋区立美術館とうらわ美術館で開催中。ぜひどちらにも足をお運びください。うらわ美術館のBIB展についてはこちら

2016.07.30

しかけえほんをつくろう 3日目(最終日)

昨日は「しかけえほんをつくろう」最終日でした。
講師はグラフィックデザイナーの岡村志満子さんです。

早く来て展覧会を見てくれたお友達もいたようです。ありがとうございます。

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火曜日から始めたしかけえほん作り、いよいよ中面をしあげて、製本して完成です。

本を開く向きを考えて、ページ順を間違えないように貼り合わせます。
好きな色の表紙をつけ、えほんのタイトルと自分の名前を書きました。

絵本が早くできあがった子は、しかけを使ったグリーティングカード作りをしました。

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最後は完成したみんなの絵本を集めて、子どもたち同士で鑑賞会。
お互いの本を見て、驚きの声があがっていました。

そのあとお家の方にも入って頂いて、一人一人発表会をしました。

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鳥がとびたつ瞬間をとらえたもの、音楽会を描いたものなど、お話もさまざま。
楽しい動くしかけが盛りだくさんです。
今回小学1年生から6年生が参加してくれましたが、それぞれの個性が光る、たくさんの力作が完成しました。

今回覚えたしかけを使って、ぜひおうちでも絵本をつくってみてくださいね。

2016.07.29

長谷川町子展まであとひと月!

板橋区立美術館ではボローニャ展の後、8月27日から「よりぬき長谷川町子展」を開催します。
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日本で最初の女性プロ漫画家として、「サザエさん」や「いじわるばあさん」で知られる長谷川町子。その全貌を紹介する初の本格的な大型回顧展です。
本展では、少女時代のスケッチブックや、戦前・戦中の雑誌や新聞での仕事から、「サザエさん」「いじわるばあさん」の原画など、貴重な資料と原画で町子の制作活動を振り返ります。特設ショップでは、本展オリジナルのグッズも多数ご用意しています。こちらもぜひご覧ください。

 

さらに、「よりぬき長谷川町子展」を記念して、漫画家のしりあがり寿さんが「サザエさん」をモチーフに4コマ漫画を描き下ろしてくださいました!くわしくはこちら

8月27日から10月10日まで開催しています。夏休みの最後の週から始まりますので、どうぞご家族みなさんでお越しください。

2016.07.27

しかけえほんをつくろう 2日目

本日は、「しかけえほんをつくろう」2日目でした。
講師はグラフィックデザイナーの岡村志満子さんです。

昨日に引き続き、自分のしかけ絵本作りを進めていきます。

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初めに先生から、画面のつながりを考えよう、しかけのしくみだけでなく、色や形、絵づくりも楽しもうというお話がありました。

絵本の中のページの完成を目指し、先生に相談したりしながら、制作していました。

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しかけを考えながら、色々な色画用紙や画材を使って絵を充実させていきます。
みんな周りのお友達と相談したり、とても意欲的に作っていました。

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明後日金曜日は講座の最終日。今まで作ったページを貼り合わせて表紙をつけ完成させます。
子どもたちの間で鑑賞会をしたあと、お家の方にも入っていただき発表会をします。
素敵な作品をみんなに見てもらいましょう。

2016.07.26

しかけえほんをつくろう 1日目

本日より、小学生対象の講座「しかけえほんをつくろう」が始まりました。
講師はグラフィックデザイナーの岡村志満子さんです。

紙を折ったり切ったりして、動くしかけを考えて絵本を作ります。
最初に先生が作ったえほんの見本をみんなで見て、しかけの種類を知りました。
使うしかけは同じでも、何と結びつけるかによって、ロケットの発射になったり熊の口になります。

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次に白い画用紙を使って、2種類のしかけを作る練習をしました。

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練習で実際に作ってみたあと、色々なしかけのサンプルを見たり、絵コンテを描いてから、好きな色画用紙を選んで本番の制作に入ります。
紙を切る位置によってしかけがはみ出したりするので、作り直したり、試行錯誤しながら作っていました。
手を動かしているうちに、だんだんと新しいアイデアが湧いてくるようでした。

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みんなそれぞれ違うものを作っていて、どんなものが出来上がるか楽しみです。
あと2日間がんばりましょう。

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