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2018.04.07

「池袋、落合のアトリエ村に行って見る」1回目

本日、開催中の展覧会「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展にちなんだ鑑賞講座「池袋、落合のアトリエ村に行って見る」の1回目を行いました。(参加者19名)
講師は当館学芸員の弘中智子です。

池袋や落合、沖縄の首里にあったアトリエ村について、画家の作品や資料などをもとにお話します。
まずは池袋モンパルナスについてです。
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写真からは板張りの長屋から作品を搬出している様子がうかがえます。
靉光や寺田政明、沖縄の南風原朝光など、様々な画家が池袋のアトリエ付き住宅で暮らしていました。

落合もまた、芸術家や研究者などが住み、文化的な雰囲気が醸成されていました。
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それぞれの作家の作品を紹介しつつ、アトリエ村の違いなどについてもお話しました。

戦後になると池袋や落合のアトリエ村にいた沖縄出身の画家たちが、ニシムイ美術村を作ります。
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ニシムイの画家たちの作品や建物の様子、米兵との関係などをお話しました。

明日は第2回目を開催します。
実際にアトリエ村のあった場所を歩き、普段は公開されていないアトリエを訪れます。
お楽しみに!

2018.03.31

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展 トーク最終回

本日3月31日(土)に現在開催中の「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展のスライドトークを行いました。
本日が会期中最後のトークでした。(参加者38名)

最初に今回の図録に掲載されているアトリエ村の地図を見ながら、池袋や落合に住んでた画家たちについてお話しました。
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アトリエ村周辺の暮らしは、絵にも描かれています。
例えば、佐伯祐三の《下落合風景(テニス)》(新宿区(落合第一小学校)蔵)には、目白文化村にかつてあったテニス場が描かれています。
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池袋や落合のアトリエ村に住んでいた沖縄の画家たちは戦後、首里にニシムイ美術村を作ります。
ポスターやチラシに掲載されている山元恵一の《貴方を愛する時と憎む時》(沖縄県立博物館・美術館蔵)はシュルレアリスムを意識して描かれています。
空や土の色は明るく、沖縄の空気を感じさせる作品です。
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展覧会も残り約2週間となりました!
4月14日(土)の14:00から小沢節子氏(近現代史研究者)による講演会「時空を横断する画家たち 東京⇆沖縄、1930年代から70年代へ」を開催します。展覧会最後のイベントです!
当館1階講義室にて、申込不要、聴講無料、先着100名です。
当日会場へ直接お集まりください。
本展覧会は池袋、落合、ニシムイに集った芸術家の作品約90点を初めて一堂に会する貴重な機会です!
どうぞお見逃しなく!

2018.03.27

桜が満開です!

今日は春らしい、おだやかな良い日和ですね。
美術館前の桜も見ごろを迎え、道行く人たちを楽しませています。

美術館とお花見を同時に堪能できるのは、今だけです。短い間のお楽しみですね。
ようこそお越しくださいませ。

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開催中の「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」は、4月15日(日)までです!
ご来館お待ちしております。

2018.03.24

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展 トーク3回目

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展は、おかげさまで多くのお客様にお越しいただいております。
本日は担当学芸員による3回目のトークがありました。
前回から、展示室でのギャラリートークから、講義室のスライドトークに変更となっております。
展覧会の構成に沿って、アトリエ村の写真など資料のスライドも交えながら、作品や作家についてお話しました。

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写真は、作者不詳《きぬこすり》(1950年代)をご紹介しているところです。「きぬこすり」とは、絹布に油絵具で描いたもので、戦後、米兵のお土産用の肖像画として池袋モンパルナスでも制作されました。取りまとめ役の画家が銀座にあった米兵用の売店PXで顔写真を預かり、同地域の画家たちと仕事をシェアしてし、お金と引き換えていたそうです。

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次の写真は山元恵一と安谷屋正義の《クリスマスカード》(ともに1945-47/昭和20-22年頃)をご紹介しているところです。
「クリスマスカード」も戦後、米兵向けのお土産として制作されました。沖縄の画家たちも一時期、肖像画やクリスマスカードなどを描き、生活を支えました。

今回は52人の方にご参加いただきました。

トークはあと1回、3月31日(土)に行います。
次回も1階講義室でのスライドトークとなります。
14時〜15時、申込不要、参加無料です。直接会場へお越しくだい。

みなさまのお越しをお待ちしております。

2018.03.17

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展 トーク2回目

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展開催中です。
今日も朝から多くのお客様にお越しいただきました。

本日は担当学芸員による2回目のトークがありました。
展示室でのギャラリートークを予定しておりましたが、今回より展示室混雑のため、会場を当館1階講義室に変更し、スライドトークとなりました。
展覧会の構成に沿って、作品や作家についてお話しました。

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写真は、安谷屋正義《望郷》(1965/昭和40年、沖縄県立博物館・美術館蔵)をご紹介しているところです。
沖縄出身の安谷屋は、東京美術学校図案科に学び、戦後帰郷してニシムイに住宅兼アトリエを建設しました。
基地の入り口に立つひとりの米兵を描いたこの作品をはじめ、1960年代に基地をテーマとした作品を描いています。

35人の方にご参加いただきました。

トークはあと2回、3月24日(土)と3月31日(土)に行います。
いずれも1階講義室でのスライドトークとなります。
14時〜15時、申込不要、参加無料です。直接会場へお越しくだい。

みなさまのお越しをお待ちしております。

2018.03.11

お話を聞く会「落合・池袋・ニシムイ 子どもたちの見たアトリエ村」

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展開催中です。
3月10日(土)はお話を聞く会「落合・池袋・ニシムイ 子どもたちの見たアトリエ村」を行いました。
講師は松本莞氏(松本竣介ご子息/建築家)、寺田農氏(寺田政明ご子息/俳優)、安次富隆氏(安次富長昭氏ご子息/プロダクトデザイナー)です。
本展で作品を展示している画家のご子息であるお三方に、アトリエ村育ちの子どもたちの目でアトリエ村や画家たちがどのように見えたのか、写真や地図のスライドを交えてお話頂きました。

トークは2部構成で、まずはじめに本展担当学芸員がアトリエ村の場所を簡単にご紹介したあと、アトリエ村の成立順(落合、池袋、ニシムイ)に、松本氏、寺田氏、安次富氏にお話を頂き、最後に鼎談を行いました。

まず松本氏に、下落合にあった松本竣介のアトリエ付き住居のつくりや、近所の林芙美子邸に遊びに行っていた思い出などをお話頂きました。落合は自然が多く長閑な環境で、画家だけでなく音楽関係の方も多く住み、文化的な雰囲気があったそうです。

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次に寺田氏に、お姉様から伺った寺田政明の豊島区長崎町のアトリエ時代のことや、戦後転居した板橋区前野町の環境のことをお話頂きました。画家仲間たちとの交流や、ご家族で完成した作品を囲んで感想を言っていた思い出などを伺いました。

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そして安次富氏には、ニシムイ美術村にアトリエがあった伯父の安谷屋正義や、美術村の近隣に自宅があった父の安次富長昭氏との思い出をお話頂きました。美術村には子どもたちがたくさんいて、大人たちは仕事をしながらもよく子どもと遊んでくれたそうです。写真は安谷屋からもらったミニカーをご紹介いただいているところです。

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最後にアトリエ村育ちのお三方にとって、アトリエ村はどんな場所であったか、子どもの頃から制作や他の画家との交流を見ていたことについて、鼎談でお話頂きました。

会は終始和やかな雰囲気でご家族との思い出のお話に、会場からは笑いも多くおこっていました。
ご来場ありがとうございました。(聴講120名)

2018.03.03

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展 ギャラリートーク1回目

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展開催中です。
本日は1回目のギャラリートークがあり、25人の方にご参加いただきました。
担当学芸員が3つのアトリエ村に集った作家や、作品についてのエピソードなどをお話ししながら、一緒に展示をめぐりました。

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展覧会の第1章「落合に暮らす画家たち」に展示している、金山平三《鱶七》(1969/昭和44年、国立劇場蔵)をご紹介しているところです。
1920年代の目白・落合一帯は、東京の郊外として整備が進められ、モダンな邸宅が立ち並ぶ住宅街が形成されました。
1925年より落合に暮らした金山は油彩で風景画を描く一方で、歌舞伎に関心を持っており、《鱶七》のような、歌舞伎の一場面を和紙に油絵具で描いた芝居絵を手がけています。
また、踊りへの関心から、自宅アトリエで芸能祭も開催していました。
こうした金山に影響を受けたのが、学生時代を落合で過ごし金山と交流した沖縄出身の画家、名渡山愛順でした。

第5章「沖縄・ニシムイ美術村とその周辺」では、《郷愁》(1946/昭和21年、沖縄県立博物館・美術館蔵)ほか、名渡山の作品についてお話しました。
名渡山は戦後、沖縄に帰郷したあと沖縄の女性や琉球舞踊を描きました。
また、絵画だけでなく尚家の陵墓、玉陵(たまうどぅん)など、沖縄の文化財保護にも携わりました。
舞踊への高い関心から、ホールを建設し、琉舞鑑賞会を開催しています。
こうした精神は深く交流した金山から受け継いだものでした。

ギャラリートークへのご参加、ありがとうございました。
トークはあと3回、3月17日(土)、3月24日(土)、3月31日(土)に行います。

来週末、3月10日(土)は、お話を聞く会「落合・池袋・ニシムイ 子どもたちの見たアトリエ村」を行います。
講師は、松本莞氏(松本竣介ご子息/建築家)、寺田農氏(寺田政明ご子息/俳優)、安次富隆氏(安次富長昭ご子息/プロダクトデザイナー)です。
当館1階講義室にて、14:00〜15:30(13:00開場予定)、申込不要、聴講無料、先着100名です。当日会場へ直接お集まりください。
皆様のお越しをお待ちしております。

2018.03.02

ボローニャ・ブックフェアの情報

ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアは、いよいよ3月26日から始まります。
現地では、4日間の会期中に原画展をはじめたくさんのイベントか予定されています。
参加される方はブックフェアのHPをチェックしてみてください。
ブックフェアに合わせて、ボローニャの町中でも展覧会やトークイベントなどあちこちで開催されます。

ボローニャ在住ののだよしこさんが、ボローニャの町の情報を地図にまとめてくださいました。
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PDF版はこちらからどうぞ。

2018.02.28

赤塚梅まつり 3月3日・4日

赤塚溜池公園、赤塚城址で毎年開催されている「赤塚梅まつり」、今年は3月3日(土)・4日(日)です。
売店やイベントも多く予定されていますので、「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展と合わせてお楽しみください。
現在梅は五分咲きといったところでしょうか。
確実に春が近づいてきています。

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なお、美術館正面玄関近くに設置される舞台でのイベントも多く予定されております。
特に下記の日時は大きな音が出ることが予想され、展示室内にも響く可能性がございます。
・太鼓演奏(雨天中止) 成増天神太鼓 3月4日(日)10時~10時45分
静かな環境で展覧会をご覧になりたい場合は、上記時間帯を避けてお越しください。

また、3月3日(土)は、展覧会関連イベントとして、ギャラリートークを行います。担当学芸員が作品や作家についてお話します。
当館2階展示室にて、14時〜15時、申込不要、参加無料(展覧会観覧料が必要)です。当日直接会場へお越しください。
みなさまのお越しをお待ちしております。

2018.02.25

対談「沖縄・ニシムイ美術村と画家たち」

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」展開催中です。
初日の昨日は対談「沖縄・ニシムイ美術村と画家たち」を行いました。
講師は前田比呂也氏(沖縄県立博物館・美術館 前美術館副館長)と豊見山愛氏(沖縄県立博物館・美術館 美術館主任学芸員)です。
お二人は、2015年に沖縄県立博物館・美術館で開催された「戦後70年特別企画展 ニシムイ 太陽のキャンバス」展をはじめ、本展展示作家の名渡山愛順氏、山元恵一氏の回顧展などもご担当されました。

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トークは4部構成で、まずはじめに豊見山氏による琉球王国時代から近代までの沖縄と美術の歩み、関連映像の上映、前田氏によるニシムイ美術村に関するお話、最後に本展担当学芸員を交えた鼎談を行いました。

豊見山氏のお話の中では、地上戦により壊滅的な被害を受けた沖縄の戦後が、米軍による軍政に始まり、当初軍政を担当したのは、文化人類学を重視した海軍であったことのご紹介がありました。そのため軍政府の諮問機関である沖縄諮詢会に文化部芸術課が設置され、画家たちが美術技官として雇用されました。彼らは石川市東恩納に集められ、アトリエを得て自由な制作活動が奨励されたそうです。
しかし陸軍への軍政移管に伴い文化部が廃止され解雇されると、画家たちは「沖縄美術家協会」を結成し、石川から首里儀保町に移動して「ニシムイ美術村」を建設しました。かつて松が茂る丘陵で、首里八景の一つでもあったこの場所で、画家たちはそれぞれの活動を展開しました。
美術村建設構想の中心にいた名渡山愛順に影響を与えたのが、彼が学生時代を過ごした東京の落合・池袋のアトリエ村でした。共同体としてのアトリエ村の精神は「ニシムイ美術村」にも引き継がれました。美術に限らずさまざまな人たちが訪れ、交流し戦後沖縄の文化復興の拠点になりました。

前田氏からは「ニシムイ」の画家たちの世代間での価値観の衝突が、二つの大きな流れをつくり、その後いくつものグループの形成を促し、今の沖縄美術に続いているというお話もいただきました。沖縄固有のものを描こうとする名渡山らの世代と、グループ展「五人展」を結成した安谷屋正義らの世代で、作品や表現の方向性が異なったそうです。

当時の貴重な写真なども交えてお話いただきました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。(聴講60名)

3月3日(土)14時〜15時には、担当学芸員によるギャラリートークを行います。
展示室にて作品や作家についてお話します。こちらもぜひお越しください。