2017.04.15

館蔵品展「絵画は告発する/特別展示 板橋の日本画」 親子でたのしむギャラリートーク

本日は親子でたのしむギャラリートークを行いました。

館蔵品展「絵画は告発する/特別展示 板橋の日本画」を、担当学芸員と参加者でお話をしながら鑑賞しました。
今日は3枚の絵を取り上げ、約30分みんなで展示室を巡りました。

最初の作品は、寺田政明《灯の中の対話》(1951年)です。
絵の中に描かれたものや形に注目して想像しながら、みんなでお話をします。

news170415-1-300
学芸員(以下、学)「何が描かれているだろう?」
参加者(以下、参)「ねずみさんがおしゃべりしている。ろうそくがある。」
「ねずみさんの眼がこぼれるくらい大きい。」
学「ねずみさんたちはどこにいるんだろう?」
参「あな。」「秘密基地。」「屋根裏かな。」
学「どこか狭いところなのかな。どんなお話をしているんだろう?隣の人と話してみてください。」
参「友達の思い出話かな。」
学「どんなポーズをしているかな?手の動きはどうだろう?」
参「左のねずみは立っていて、右のねずみは座っているかな。」
学「色はどうかな?」
参「青。」「白。」「赤。」
学「近くでよく見ると、色々な色が混じっているね。」
このようにみんなで話しながら鑑賞は進みました。

《灯の中の対話》の作者の寺田政明は戦後、板橋区前野町(通称ひぐらし谷)にアトリエを構え、以降板橋に暮らしました。
参加者にもおなじみの地域だったので、より作家を身近に感じてもらえたようです。
鳥や虫など生きものを描いた寺田政明。
ろうそくを挟んで2匹のねずみが生き生きとおしゃべりをしているこの作品から、作家の優しい人柄がしのばれます。

次の作品は芥川(間所)沙織《女》(1955年)です。

news170415-2-300
学「この絵のタイトルは何かな。探してみてください。」
参「女。」
学「この人はどんな気持ちなんだろう。」
参「怒っている。」「悲しんでいる。」
学「なぜ怒っていると思う?」
参「とげ。(髪の毛が逆立っている)」「眼が赤い。」「叫んでいる。」
学「何と叫んでいるのだろう。隣の人と話してみてください。」…

寺田政明《灯の中の対話》は油絵でしたが、この作品はろうけつ染めです。
染めによる表情を間近で見てみました。

最後の作品は、井上長三郎《寓話》(1959年)です。
幅2mほどの大きな絵です。
遠くから眺めたり、近づいたりして、よく見てみます。

news170415-3-300
学「ここでは何が起きているだろう?何が描かれているだろう?」
参「人がいる!」
学「何人の人がいるだろう?」
参「…4人いる。」
学「それぞれ何をしているのだろう。」

みんなで4人が何をしているのかおしゃべりしました。
左上の人は隣の人の声をうるさがっているように見える。
右上の人は大きく口を開けて、大声で笑っているのか。
右下の人は左下の人におしりを指されてびっくりしている…など。

絵の右上の黒い影が鳥やこうもりのようで気になるという声もありました。
みんなで絵を見ると、1人では気づけないことに注目することができますね。

学「作者はどんなことを描きたかったのだろう。隣の人と想像してみよう。」
参「同じ場所にいるけど、いろんな感情をそれぞれ持っている。」

作家は、人間の世界では実はみんな勝手にばらばらなことを行っていることを描いたそうです。
学校や会社でもそうかもしれないねという話をしました。

30分という短い時間でしたが、みんなで1つの作品についてお話することで、思いがけない発見が生まれました。

本展覧会での親子でたのしむギャラリートークは今日限定でしたが、
次回のギャラリートークは、5月6日(土)14:00より開催します。
ご参加は無料です。当日2階展示室ロビーへ直接お集まりください。

(参加者13名)