板橋区立美術館

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美術館ニュース

板橋区立美術館はこのたび改修工事を終え、1年2か月ぶりにボローニャ展でリニューアルオープンを迎えました。これを記念して7月13日には「建物から語る板橋区立美術館」と題してシンポジウムを開催しました。
パネリストは登壇順に以下の6人です。
松岡希代子(板橋区立美術館館長代理)
坂本健(板橋区長)
柳学氏(柳学アーキテクツ)
尾崎文雄氏(Studio REGALO)
米山大三郎氏(東京理科大学大学院)
山名善之氏(東京理科大学教授)

シンポジウムの冒頭には、館長代理の松岡が、改修に至る経緯を学芸員の立場からお話しました。当館は東京23区初の区立美術館として誕生し、コレクションもない中から手探りで運営を始めましたが、これまで40年間にわたり個性的な活動を展開してきました。開館からの歴史をふまえたうえで、今回の改修は、建物を使う側である学芸が中心となってさまざまな要望をまとめるところから始まりました。次に、坂本区長からは、美術館スタッフと区役所と建築家の3者の共同作業で改修を進めることができたこと、また、区内のほかの施設の改修工事などについてお話がありました。
続いて、建築を担当された柳さんと尾崎さんから、具体的な改修のポイントを説明いただきました。建築家の柳さんは、館内の床レベルの差と不十分な断熱という改修前の2つの問題点を解消するための方策や、「レイヤード・スキン」という考え方に基づいたデザインコンセプトをお話くださいました。尾崎さんは美術館の展示デザインや改修を多く手掛けておられ、今回アドバイザーという立場で建築家と美術館の橋渡しをしてくださいました。尾崎さんからはおもに展示室の照明やパネル、展示ケースなどについて説明がありました。
さらに、当館の当初の建物を手がけた建築家の村田政眞について研究している米山さんが、板橋区立美術館の特性を建築の視点から3つのポイントに整理してくださいました。米山さんによると、村田の建築には派手さはないけれど、人や環境に寄り添うように作られ、気品を感じるとのことです。
休憩を挟んでシンポジウム後半には、東京理科大学教授の山名先生から、美術館建築の改修についてより大きな視点でお話いただきました。ル・コルビュジエの設計した美術館(東京国立西洋美術館など)も例にあげながら、当初の形を保ち続けるのではなく、絶えず手を加えながら残していく建築の在り方(リビング・ヘリテージ)についてご紹介いただきました。スクラップ・アンド・ビルドの時代は去り、改修して使い続けることの重要性、そして板橋区立美術館の今回のケースが今後のほかの美術館の参考になるとも述べられました。

最後の合同討議では、もともと白いタイル張りだった外観に、改修後には黒い鋼板やガラスを用いた理由なども話題にのぼりました。また、若いころに村田の建築事務所で美術館の設計に携わったという方が会場に来てくださり、当時の貴重なエピソードも披露してくださいました。

 
 
 

今回のリニューアルに際しては、関係者が検証や話し合いを重ねて改修工事に取り組みました。そのプロセスは、これまでの活動を改めて見直すきっかけともなり、今後の活動にとっての糧となったとも言えます。
今回の改修にご協力くださったみなさま、そしてリニューアルを楽しみにしてくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。(聴講約50名)

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「建物から語る板橋区立美術館」
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