2018.07.23

宇野和美さん講演会

22日(日)は、スペイン語翻訳家の宇野和美さんにお越しいただき、「『マルコとパパ』ができるまでとスペイン語圏の子どもの本―ラガッツィ賞受賞作を中心に―」と題して講演会を開催しました。
2016年のボローニャ・ラガッツィ賞では、特別賞として障害に関する本の部門が設けられ、スペインの『マルコとパパ』(グスティ作)が最優秀賞を受賞し、注目を集めました。イラストレーターの父親が、ダウン症のある息子との日々を絵と言葉でつづった、140ページの大部な本です。講演会の前半では、今年この本を翻訳した宇野さんが、出版にいたるまでのさまざまなエピソードを披露してくださいました。手書き文字を多用した原書をどのように日本語にするのか、編集者やブックデザイナーと相談しながら進めたそうです。また、ダウン症にくわしい専門家の協力も得ながら、言葉も注意深く選んでいったとおっしゃっていました。
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後半は、スペインや中南米の児童書の普及について、歴史をふまえてご説明いただいた後で、ここ10年でボローニャ・ラガッツィ賞を受けたスペイン語圏の絵本をご紹介くださいました。スペインでは、独裁政権が終わって1980年代以降になってようやく児童書へ関心が向けられるようになり、ここ20年ほどで独自の絵本が次々に出版されているそうです。また、中南米のスペイン語圏の国々は共通の言語があるため、国境を越えて作家たちが活躍をしているという状況も教えてくださいました。社会背景や各出版社にも精通している宇野さんの解説を通して、1冊1冊の魅力が伝わってきました。
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講演会終了後には、宇野さんがお持ちくださったたくさんのスペイン語の絵本をみなさん熱心に閲覧していました。暑い中、ご来場ありがとうございました。(聴講約30名)
次回28日(土)は、絵本評論家の広松由希子さんと当館副館長の松岡希代子による対談です。区立成増図書館・視聴覚室で2時からです。