2018.02.14

座談会「スペインのメディア・バカ社の絵本作り」

2月10日、スペインで編集者として活躍するビセンテ・フェレルさんをお招きして、トークイベントを開催しました。
ビセンテさんは1998年にスペイン・バレンシアで出版社メディア・バカ(MediaVaca)社を設立、以来20年にわたり、妻のベゴーニャさんとお二人で個性的な絵本を次々と世に出して、世界的にも注目されています。
当館とのかかわりは、2003年に開催したイラストレーター向け講座「夏のアトリエ」の講師をお願いして以来、15年にも及びます。本日は、ベゴーニャさん、絵本作家の三浦太郎さんも交えて、メディア・バカ社の本作りや日本のイラストレーターとの仕事について伺いました。聞き手は当館副館長の松岡希代子、通訳は2003年の「夏のアトリエ」に引き続き政岡潔子さんです。
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三浦さんは「夏のアトリエ」にも参加していますが、ビセンテさんと初めて知り合ったのはその2年前、ボローニャ・ブックフェアでのことでした。2006年には「TOKIO(東京)」という本をメディア・バカ社から出版しました。トークでは、出会いの際のエピソードや絵本の制作におけるやりとりなどもお話くださいました。ビセンテさんにとっても、三浦さんとの出会いはとても特別なものだったそうです。
さらに同じ2006年、「夏のアトリエ」の参加者21人とともに「Érase veintiuna veces Caperucita Roja(21人のあかずきん)」という絵本を出版します。ワークショップの課題として取り組んだ、それぞれの赤ずきんをまとめた大部な本ですが、これまでに7万部以上発行され、メディア・バカ社で最も売れている絵本となりました。5日間の「夏のアトリエ」から絵本を生み出した経験もビセンテさんにとっては忘れがたいものとなったそうです。

トークの中では、そのほかのメディア・バカ社の多彩な絵本についても、初期の作品からスライドとともにお話くださいました。
質疑応答のコーナーでは、もともと2色刷りの絵本を作っていた理由なども披露してくれました。

ビセンテさんの語り口は訥々としていながらも独特のユーモアがちりばめられていて、会場には時折じわっとした笑いが沸き起こり、あっという間の1時間半となりました。

2003年の「夏のアトリエ」の参加者もたくさん駆けつけてくれました。たった5日間のワークショップのつながりが、15年の歳月と国境を越えて現在も続いていることに、ビセンテさんもベゴーニャさんも大変感動し、涙ぐむ一幕も。ビセンテさんにとっての日本は、板橋区立美術館に集約されているのだそうです。
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1月末に急遽開催が決まったイベントですが、約30名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。