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美術館ニュース

「近代日本の社会と絵画 戦争の表象」展にともなう記念講演会が開催され、「予兆と現実、そして想起 — 戦争を描いた画家たち」と題して近現代史研究者の小沢節子先生にご講演いただきました。

この演題には、時系列による3つのキーワードが込められています。

 

(レジュメより)

1、 予兆…1930年代後半の日本のシュルレアリスム絵画を中心に

2、現実…戦争画/作戦記録画と銃後の生活のあいだで〜戦争・戦時体制への様々な関わり方

3、想起…遅れてきた/再び見出されたシュルレアリスム 戦争体験と占領期の現実

 

ご講演は、この3つのキーワードに即し、本展展示作品の図版を数多くお示しいただきながら進められました。

「予兆」の項では、浜松小源太《世紀の系図》を起点として、シュルレアリスムを志向した若い画家たちが戦争に巻き込まれてゆく様子を具体的な作例とともに紹介いただきました。

展示作品の森尭之《風景》は、先生のご著作『アヴァンギャルドの戦争体験』(青木書店、1994年)にも取り上げられた思い入れのある作品だそうです。

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続く「現実」の項では、「戦争画/作戦記録画」が取り上げられました。いわゆる戦争画、作戦記録画の制作は、ある程度キャリアを積んだ画家に依頼されることが多いため、戦中戦後の知られざる画家に特に注目した当館のコレクションにはあまり多く所蔵されていません。そのような中、新海覚雄《貯蓄報国》は銃後の生活を描いた点で注目すべき作例とのことです。

「想起」の項では、戦争から生還した画家たちの表現が紹介されました。画業の中で、一定の期間を戦争により中断せざるを得なかった古沢岩美、山下菊二らの戦後の作例には、非人間的で不条理な戦争体験が反映されており、また戦時中に描くことのできなかったシュルレアリスム絵画を「遅れて」描くことになったということです。

 

DSCN8993

本年は戦後70年にあたり、さまざまな美術館で戦争をテーマとした展覧会が開催されるようですが、本展は他館から作品を借用することなく、所蔵作品・寄託作品で構成されていることにも言及して下さいました。

小沢先生は長年、当館の活動に注目してくださっています。今回の講演には、ご自身が所蔵されている当館で開催された「東京モンパルナスとシュールレアリスム」展のパンフレットもお持ちくださいました。1985年、今からちょうど30年前に行われた展覧会です。

作品と作家だけではなく、戦時下の日本の社会背景まで丁寧にご説明いただきました。ありがとうございました。

(聴講65名)

 

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