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美術館ニュース

8月11日から2日間、夏の教室を開催します。絵本研究者の広松由希子さんとボローニャ展担当の松岡希代子が一緒に企画して今年でもう12年。その時その時に合った関心や問題の中から毎年テーマを設定し、多彩な講師とともに絵本を多面的に考えていきます。今年は、「絵本は『国境』を超えるか?」をテーマに、広松さんと5人の講師の方々お話をいただきます。

本日1コマ目は広松さんと参加者で絵本世界地図を作るという試み。各自が持参した好きな絵本や広松さんが用意した絵本をあわせると100冊以上。それぞれについて、出版国、イラストレーターや作家の国、舞台となる国などを書き出してみます。さらにイラストレーターの国で分けながら、部屋全体を使って世界地図のように広げみると・・・。自分の持ってきた絵本の位置やその周囲の絵本を確認したり、一冊の絵本にさまざまな国が関わっていることに驚いたり、みなさん興味深そうに眺めていました。日本と世界の絵本を幅広い視点で捉える広松さんらしいこの作業は、夏の教室のウォーミングアップとなったのではないでしょうか。日本ではなかなか見られない絵本もあり、お昼休みも皆さん熱心に絵本をめくったりメモしたりしてました。

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午後、2コマ目は梅花女子大学名誉教授の三宅興子先生です。イギリスに紹介された日本の絵本に見られる翻訳や理解の問題について、70-80年代の絵本を事例に具体的にお話くださいました。翻訳する際にイギリスの習慣に合わせて変更を加えることもありますし、日本ではあえて説明しない場面も英訳版では論理的に説明を加えてしまうこともあり、絵本の翻訳の奥深さ、難しさがよく分かります。一方で、違いを乗り越えながら素晴らしい英訳がなされた絵本も紹介いただきました。そして最後に、絵本が翻訳出版されたとしても、その国に根付くかどうかは別の話であり、絵本はそこに描かれる全体を知らなければ翻訳はできないと強調されていました。大阪からお越しくださった三宅先生は、朝から講座に参加してくださり、みなさんと一緒にお昼休みも過ごしていらっしゃいました。

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今日の3コマ目は、著述家でミンダナオ子ども図書館館長の松居友さんです。松居さんは、戦争や森林伐採による洪水などにより困難な状況にある子どもたちのために図書館をつくり、活動しています。最初に松居さんは、「国境」とは人間が作り出しもので、本当にそんなものがあるのだろうか問いかけました。現地には絵本を一度も見たことのない子たちもたくさんいるそうですが、目に見えないものと共に生きる社会で、幼い頃からストーリーテリングを聞いて育った彼らは、絵から物語を紡ぎ出し、自ら物語る力があると言います。松居さんは、医療、奨学金、保育所、学校といった側面でも支援をし続けていますが、根幹にあるのは読み聞かせだとおっしゃっていました。ミンダナオを舞台にした絵本や映像とともに、子どもたちの置かれた状況と彼らの物語る力についてお話くださいました。

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1日目から大変幅広い視点からお話をいただきました。広松さんが最初におっしゃたように、夏の教室は、ひとつの答えを出すのが目的ではなく、考えるきっかけを見つける講座です。 約40名の参加者のみなさんも、それぞれの視点や問題意識で2日間を過ごしてみてください。

 

板橋区立美術館 > 美術館ニュース > 夏の教室「絵本は『国境』を超えるか?」1日目
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