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美術館ニュース

夏の教室2日目。前日の濃いお話を消化するのにも時間がかかりそうですが、今日も3人の講師にお話頂きます。
本日1コマ目は、福音館書店第2童話編集部編集長の唐亜明さんです。唐さんは同社で30年以上にわたり児童書出版に携わっていますが、まずは自身が国境を越えて日本に来られたお話から。激動の時代の中国で育った唐さんは、さまざまな経験を経て日本語を勉強し、たまたま引き受けた通訳の仕事をきっかけに、日本でそれまで縁のなかった児童書出版の世界に入りました。そして近年ご自身が担当された絵本を例に、編集者としてどのように作家とともに絵本を作り上げていったのかお話くださいました。それぞれの絵本には、作家の故郷の記憶や文化的な背景が意識せずとも必ず反映されるものであると言います。異なる文化に出会ったときの「火花」が散るような経験や、生まれ育つ中で培われたものが後の仕事や人生の栄養源となるというお話など、唐さんから若い人たちへのメッセージがたくさん詰まった講演でした。
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午後の最初はブロンズ新社代表の若月眞知子さんです。出版社を設立した経緯から、初めて手がけた児童書『らくがき絵本』(五味太郎)を海外で翻訳出版したときのこと、そして世界約70社と取引をしている現在の活動をお話いただきました。海外の出版社でブロンズ新社の絵本を出す際には、デザインや印刷などを自分たちでコントロールする「Co-pro」という形態を取っているそうですが、海外とのやりとりなどで苦労が絶えないとのこと。国境は変わるものであり、絵本が海外に渡る際には言語がポイントになるのではないかというお話には、Co-proにこだわって海外版を出してきた若月さんならではの実感がこもっているようです。若月さんは20年以上にわたりボローニャ・ブックフェアに通い続けていますが、初めて訪れたときの刺激や出会いが現在につながっているそうです。いつもとってもおしゃれな若月さん、ブックフェアでのブース作りにも細かな配慮をされ、世界を見据えた出版を続けていらっしゃいます。
唐さんと若月さん、絵本の編集を長く手掛けているお二人ですが、異なる観点からのお話でした。
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今年の夏の教室最後のコマは絵本作家の米津佑介さん。2005年にボローニャ展に入選し、2007年から海外で絵本を出版し、2011年に初めて日本版が出版されました。今回は、学生時代にイラストレーションを描き始め、友人に誘われてボローニャ展に初めて来たこと、そして初入選、ブックフェアでの売り込み、海外の出版社との出会いなど、自身の絵本が国を超えて出版されるまでの道のりをお話くださいました。海外での出版についてまったく気負いを感じさせずにお話くださいましたが、出版社との打ち合わせの際に周到な準備をしたり、自分らしいスタイルや技法を見つけるなど、人との出会いを大切にしながら努力を続けてきた様子が垣間見れます。現在の関心にも言及され、これからの活躍がますます楽しみです。人前で話すのは苦手と言っていた米津さんですが、自然体のお話で和やかに最後のコマを終えることができました。
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暑い夏に2日間にわたり朝から夕方までみっちりの講義、いかがでしたか。絵本は「国境」を越えるか?という大きなテーマでしたが、とても広い視野で広松さんと5人のみなさんにお話いただきました。みなさんの考えるきっかけとなれば幸いです。ご参加ありがとうございました。

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