BLOG - 最近の投稿 BLOG - 過去の投稿
2016.06.23

日本の近代美術を行って見る 第2回

news160622-1
先週の土曜日(6月18日)は鑑賞講座「日本の近代美術を行って見る」第2回があり、8名の参加者の皆様と世田谷区砧にある福沢一郎記念館に行きました。

福沢一郎(1898-1992)は、一貫してテーマをいかに表現するかということを追求し続けた作家です。
日本におけるシュルレアリスム絵画の紹介者としても知られています。
先日会期が終了した板橋区立美術館の「館蔵品展 絵画・時代の窓 1920s-1950s」展で、「憂川(ダンテ神曲による幻想)」(1946年)をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

講座では、福沢の象徴的なことばを取り上げ、作品を読み解く鍵とする展覧会「Words Works」(会期は6月20日で終了)を鑑賞し、福沢一郎のご子息の一也さんからのお話の後、学芸員の伊藤佳之さんより約1時間のレクチャーを受けました。
福沢一郎の作家像や、アトリエ遍歴、室内のこだわり等について大変わかりやすく解説してくださいました。

福沢は1922年に本郷区駒込動坂(現在の文京区千駄木)にアトリエと住居を新築しました。
その後1924年に彫刻を学ぶためにパリに留学し(のちに絵画に転向)、ロルヌ街のアトリエ長屋で制作しました。
1931年に帰国後、動坂のアトリエに戻り、1936年頃自らの制作と並行して「福澤絵画研究所」を開設しました。
1941年初め、動坂のアトリエに留守番を置き(一時は山下菊二が留守番していたこともあるそうです)、世田谷区祖師ヶ谷に移りました。
1945年春から軽井沢に疎開し、1946年秋頃祖師ヶ谷に戻り、数カ所の住まいを経て、現在の世田谷区砧に移りました。
砧の庭付きの自宅アトリエは1955年頃竣工、1994年に改装し福沢一郎記念館が開設されました。

news160622-2

東側の大きな壁をはじめ、アトリエの各所は、抗菌作用に優れ、湿気やシロアリにも耐性がある「青森ヒバ」が使われており、北向きの窓からは一日を通して安定した自然光が入ります。
パリ時代のアトリエと比較してみると、北向きの窓や、二階へと続く階段、高い天井など共通点がいくつもあるそうです。

床には、本棚が置いてあった日焼けの跡や、絵具の飛沫跡が見られました。
参加された方は制作の現場であった場所を見ることで、作家や作品により親しんで頂けたのではないでしょうか。

news160622-3
福沢一郎記念館について、詳細はホームページをご覧ください(こちら)。

「日本の近代美術を行って見る」、第3回は新宿区立中村彝アトリエ記念館と新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館での開催です。
佐伯祐三は、福沢と朝倉文夫の彫塑塾にともに通い、パリ留学中も交遊があった作家です。

2016.06.20

「館蔵品展 絵画・時代の窓 1920s-1950s」展は終了いたしました。

昨日をもちまして「館蔵品展 絵画・時代の窓 1920s-1950s」展は終了いたしました。
ありがとうございました。

次回は7月2日(土)から8月14日(日)まで、「2016 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を開催します。
詳しくは展覧会のページ(こちら)をご覧ください。
会期中にはさまざまなイベントも予定しています。みなさまのお越しをお待ちしております。

2016.06.19

ひよこ・たぬきアトリエ 小枝でつくる 小さなおうち。

本日、ひよこ・たぬきアトリエを開催しました。
講師は造形作家の大矢りかさんです。

小枝を使って小さなおうちを作ります。
好みの木の枝を選んでいただき、
DSCN7748
グルーガンという樹脂を溶かして接着する道具を使って組み立てていきます。
使う木によって家の形や雰囲気が変わります。

貝や木の実を装飾したり、
DSCN7766
二階建てにしたり、
DSCN7763
家の中に滑り台を作ったり、家の中には住人がいたり・・・

親子で協力して、素敵なおうちがたくさん出来ました。

参加された方からは、
家ではなかなか出来ないため、良い体験ができた
リフレッシュになった
というお声もいただきました!
次回は7月に別の講師の先生をお呼びして開催します。
みなさまのご参加をお待ちしております。

2016.06.18

当館の江戸狩野派作品が、祇園祭の菊水鉾に!

7月の京都で行われる伝統の祇園祭。
菊水鉾町の山鉾の四方を飾る懸装品の傷みが目立つようになり、その新調にあたって、
当館の作品を綴織で表現した幕が用いられることになりました。
菊水鉾町の古名が「夷(えびす)三郎町」だったことにちなみ、
恵比寿様が描かれた狩野岑信「七福神図巻」の図像が採用されたのです。
監修は、狩野博幸氏です。

前懸・後懸・胴懸の計4面が4年かけて制作され、このたび全てが完成しました。
先日御披露目会があり、実物を拝見して来ました。

 

写真手前の後懸が布袋、奥の左面胴懸が福禄寿と寿老人です。
近くで見ると絵画そのままに濃淡や筆遣いなどが再現されていて技術の高さに驚きました。
IMG_1520

右面胴懸は、毘沙門天と弁天です。4面の幕の制作では約500色の色糸を染め出したそうです。
IMG_1509

前懸は、恵比寿と大黒天です。小槌を振る大黒天だけのように見えますが…
実は、左上の舟と烏帽子、釣った鯛が恵比寿を意味しているのです。
このように、持ち物などによりその人物を想起させる表現を「留守文様」と言います。
IMG_1505

御披露目会場では、原図となった当館の狩野岑信「七福神図巻」の複製も展示されました。
IMG_1516

江戸狩野派の作品が京都の祇園祭を彩るとは、感慨深いものがあります。
菊水鉾再建60周年記念事業に関わった皆さまに心より感謝を申し上げます。
今後、山鉾巡行をご覧になる方は菊水鉾にご注目ください!

2016.06.12

日本の近代美術を行って見る 第1回目

今年度の鑑賞講座は、当館の近代美術コレクションや作家にまつわる場所に実際に「行って見る」ことで、作品やその時代を体感していただきます。
昨日は第1回目「画家とアトリエ 池袋モンパルナスを中心に」というテーマで当館学芸員によるレクチャーを行いました。

DSCN7613

諸説ありますが、「池袋モンパルナス」の名は詩人の小熊秀雄が広めたといわれています。

池袋モンパルナスに夜が来た
学生、無頼漢、芸術家が
街にでてくる
彼女のために
神経をつかへ
あまり、太くもなく
細くもない
在り合せの神経を―
小熊秀雄 「池袋風景」『セルパン』1939年より

この詩から、戦前の1939年における池袋モンパルナスの喧噪やざわつきを感じられます。
ほかにも、当時の池袋の写真やアトリエの風景・平面図から池袋モンパルナスの様子をお伝えしました。
例えば、アトリエには北向きの天窓や大きな搬出入口といった共通点が挙げられます。
天窓を北向きにすることは、アトリエに入る日の光が一日中あまり変わらないため、画家にとっては重要です。
次回からは実際に福沢一郎、中村彝、佐伯祐三のアトリエへ行って見て、その様子を体感していただきます。

昨日はレクチャーの後にオプションとしてギャラリートークも行いました。
DSCN7625
現在の「館蔵品展 絵画・時代の窓1920s-1950s」展も残り一週間となりました。
新しく寄贈された作品なども展示していますので、まだご覧になっていない方はぜひ!

2016.06.11

クレヨンでおもいきり描いて楽しもう!第5回(最終回)

5回にわたって開催された技法入門シリーズ、「クレヨンでおもいきり描いて楽しもう!」ですが、
いよいよ本日が最終日となりました。
講師はイラストレーターの石川えりこさんです。

前半の時間はそれぞれ仕上げの制作をし、最後に完成した作品を並べ、プレゼンテーションの会をしました。
自分の作品について、制作途中の気づきや、良いと思うところについて話しました。
みなさん他の方の作品をじっくりご覧になっていました。

news160611-1

news160611-2

news160611-3
石川先生のお人柄もあり講座は終始、和気あいあいと楽しい雰囲気で、密度の濃い5日間でした。
皆さんクレヨンの表現の広がりを実感されていました。

さて、今回いつも温かくご指導くださった石川先生の個展が、福岡県にあります嘉麻市立織田廣喜美術館にて9月に開催されます。

「石川えりこ原画展 あのころ」
会期:2016年9月10日 (土) ~ 10月10日 (月)
会場:嘉麻市立織田廣喜美術館
詳しくは織田廣喜美術館のホームページをご覧ください。(こちら)

お近くにお出かけの際はぜひお立ち寄りください。

2016.06.09

2016イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展イベント情報

7月2日から開催する2016イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の関連イベントをアップしました。
みなさんのご応募・ご参加お待ちしております!
くわしくはこちらをご覧ください。

2016.06.05

速水豊先生講演「戦前期の絵画と文学」

現在開催中の「絵画・時代の窓 1920s-1950s」展の会期も6月19日(日)までとなりました。

昨日は記念講演会が開催され「戦前期の絵画と文学」と題して速水豊先生(三重県立美術館館長)にご講演いただきました。

昭和文学研究において文芸評論家の平野謙が論じた「三派鼎立」(プロレタリア文学、モダニズム文学、既成リアリズム文学)を出発点に、その図式を同時代の美術にあてはめて、プロレタリア美術、モダニズムからシュルレアリスム絵画、既成画壇といったカテゴリーに分類できるようです。
1930年前後に大きな盛り上がりを見せたプロレタリア芸術運動や、モダニズムの流れから出た心理主義的な傾向やシュルレアリスム的な傾向は、文学と絵画表現の中にほぼ同時に現れています。
『文芸戦線』『文学』といった1920〜30年代に柳瀬正夢や福沢一郎などの画家が手がけた雑誌や書籍の装幀をご紹介いただき、また《コムソモルカ》や《ヴィナスと少年》といった展示中の作品も結びつけてお話いただきました。

ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

(聴講約45名)

DSCN7531

2016.06.04

クレヨンでおもいきり描いて楽しもう!第4回

今日は技法入門シリーズ、「クレヨンでおもいきり描いて楽しもう!」の第4回が開催されました。
講師はイラストレーターの石川えりこさんです。

前回から大きいパネルに描き始めました。

今日は「途中で立ち止まって、絵を眺めて、考えながら描こう」というお話が先生からありました。

news160604

前回教わった足し算と引き算の描き方を意識しながら、今の時点での自分の絵の良いところを大切にして、描いていきます。
ペインティングナイフで削ったり、オイルで色を伸ばしたり、大きく絵を変えたい気持ちが湧いたら、一度立ち止まってそれが効果的かどうか考えて進めていきます。

160604-3

news160604-2

news160604-4

皆さん先生と相談しながら集中して描いていきました。
受講者さん同士でお互いの制作について話したり、とても楽しそうです。

次回はいよいよ最終回です。

2016.05.29

講演会のお知らせ

現在開催中の「絵画・時代の窓 1920s-1950s」展の会期も残り3週間となりました。
最後の関連イベントとして、三重県立美術館の館長・速水豊氏の講演会を行います。

kaiga_20_50s-1

日 時   2016年6月4日(土)14:00〜15:00(13:30開場予定)
テーマ  「戦前期の絵画と文学」
講 師   速水 豊 氏(三重県立美術館館長)
会 場   板橋区立美術館1階講義室

申込不要、聴講無料、先着100名様です。
当日会場へ直接お集まりください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

【講師情報】
姫路市立美術館、兵庫県立美術館の学芸員を経て、現在、三重県立美術館館長。
専門は20世紀美術史。
主な編著書に『古賀春江・都市モダニズムの幻想(コレクション日本のシュールレアリスム9)』(本の友社)、『シュルレアリスム絵画と日本 イメージの受容と創造』(日本放送出版協会)ほか、訳書にクリストファー・マスターズ『ダリ』(西村書店)など。