20世紀検証シリーズ No.4
種村季弘の眼 迷宮の美術家たち

種村季弘(たねむらすえひろ/1933年~2004年)は池袋に生まれ、板橋区の東京都立北園高等学校を経て、東京大学文学部に学んだドイツ文学者です。彼は、1966年にグスタフ・ルネ・ホッケの『迷宮としての世界』(矢川澄子と共訳)の翻訳をもって、日本でのマニエリスムブームの火付け役となりました。その後、博覧強記ぶりを遺憾なく発揮し、エロティシズム、錬金術、吸血鬼など、様々なジャンルを横断して、批評活動を行います。
美術批評では、「月の道化師 ゾンネンシュターン」「カール・コーラップ 魔法の国の建築家」などと題して、当時馴染みの薄かったドイツ語圏の作家たちを精力的に紹介しました。また、画家の井上洋介、赤瀬川原平、舞踏家の土方巽をはじめ、種村が共感を覚えた日本の芸術家に対しても積極的に文章を寄せました。それらは、いずれも種村ならではの鋭い鑑識眼に貫かれています。
本展は、国内外から作品を集め、種村季弘の眼を通して創造された美術の迷宮を「夢の覗き箱」「没落とエロス」「魔術的身体」「顛倒の解剖学」など、7つのキーワードで辿る初の試みです。

主な出品作品

マックス・エルンスト《ニンフ・エコー》新潟市美術館、桑原弘明《Scope「詩人の椅子」》種村季弘旧蔵、フリードリッヒ・シュレーダー=ゾンネンシュターン《おんどりのいる形而上学》浅川コレクション(足利市立美術館寄託)、《土方巽舞踏公演〈土方巽と日本人−肉体の叛乱〉8ミリフィルム映像》(撮影:中村宏)NPO法人舞踏創造資源、カール・ハイデルバッハ《二体の人形》個人蔵、ホルスト・ヤンセン《ミリー》個人蔵、井上洋介《食事A》刈谷市美術館蔵、エルンスト・フックス《サミュエルの娘》個人蔵、カール・コーラップ《頭》個人蔵、エーリヒ・ブラウアー《かぐわしき夜》新潟市美術館、美濃瓢吾《花下臨終図Ⅰ》個人蔵ほか。

四谷シモン《シモンドール》、秋山祐徳太子《父の肖像》個人蔵、トーナス・カボチャラダムス《バオバブが生えたかぼちゃの方舟》個人蔵は初公開です。

 

関連イベント

会期中は、舞踊パフォーマンス、記念講演会、ギャラリートークを開催いたします。
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展覧会図録

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「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち」展

サイズ:265(縦)× 155(横)mm/192頁
発行年:2014年(平凡社発行)
価 格:2000円

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今道子 ≪種村季弘氏+鰯+帽子≫ 2000年 個人蔵

エドワード・リア『ナンセンスの本』1846年初版 個人蔵

桑原弘明《Scope「詩人の椅子」》2001年、種村季弘旧蔵

カール・ハイデルバッハ《二体の人形》1965年、個人蔵

秋山祐徳太子《父の肖像》2014年、個人蔵

井上洋介《食事A》1960年、刈谷市美術館蔵

カール・コーラップ《頭》1973年、個人蔵

美濃瓢吾《花下臨終図Ⅰ》2001年、個人蔵