館蔵品展 絵画は告発する
特別展示 板橋の日本画

板橋区立美術館では開館以来、池袋モンパルナス界隈に集まった画家や板橋に暮らす画家の作品を収集、展示してきました。これらの中には、日本の社会状況を反映した作品があります。
1920、30年代に最盛期を迎えたプロレタリア運動は美術界にも広まり、労働者や指導者の姿を描いた作品が発表されました。この運動を目のあたりにした井上長三郎は社会に鋭い眼差しを向け、満洲事変を発端とした戦争の時代の雰囲気を汲みとった絵画を発表します。戦時中、画材や表現に制限がある中でも、井上や彼が結成した新人画会の仲間たちなどは、画家自身の信念に沿った作品を発表しました。
戦後、日本の美術界では海外の美術作品が次々と紹介され、自由な表現や発表の場が誕生するなど目まぐるしく展開します。その中で「ルポルタージュ絵画」と呼ばれる同時代の日本の姿を描き出した絵画が発表されています。山下菊二や中村宏らによる作品は基地闘争をはじめ混沌とした戦後の社会問題を取り上げ、絵画を通じて事件の核心に迫ろうとしました。
時代と対峙した作品は、社会問題を告発するかのように力強く私たちに訴えかけてきます。今回はコレクションの中から社会や事件をテーマにした作品を紹介し、画家たちによる告発を読み解きます。


◯ 出品作家(五十音順)
芥川(間所)紗織、麻生三郎、阿部展也、池田龍雄、石井茂雄、井上長三郎、井上照子、大塚睦、桂川寛、国吉康雄、佐田勝、白木正一、末松正樹、杉本鷹、高山良策、寺田政明、中村宏、難波香久三、浜松小源太、早瀬龍江、尾藤豊、古沢岩美、堀田操、村上善男、山下菊二、吉岡憲


また、「板橋の日本画」と題して当館が所蔵する日本画家の作品を特別展示いたします。日本画の魅力をお楽しみください。

◯ 出品作家(五十音順)
今井珠泉、佐藤太清、西沢笛畝、平山郁夫

関連イベント

記念講演会

6月10日(土)「絵画に託されたメッセージを読み解く」 
講師=大谷省吾氏(東京国立近代美術館美術課長)
当館1階講義室にて、14:00〜15:30。申込不要、聴講無料、先着100名、
当日会場へ直接お集まりください。

ギャラリートーク

展示作家、作品について担当学芸員がお話しします。
日程:4月8日(土)、5月6日(土)
いずれも14:00より50分程度、参加無料、当日2階展示室ロビーへ直接お集まりください。終了しました

親子でたのしむギャラリートーク 

絵の中に描かれたモノや形に注目して、担当学芸員が参加者とお話をしながら作品を鑑賞します。
日程:4月15日(土)
10:00より30分程度、参加無料、当日展示室ロビーへ直接お集まりください。終了しました


井上長三郎《議長席》1971年
板橋区立美術館蔵(新収蔵作品)
末松正樹《自画像》1944年
板橋区立美術館
阿部展也《顔のうしろの顔》1957年
板橋区立美術館
村上善男《カウントのある風景》
1954-55年 板橋区立美術館
中村宏《血井(Ⅰ)》1962年
板橋区立美術館
山下菊二《祀られる戦士》1967年
板橋区立美術館(寄託作品)
早瀬龍江《自嘲》1951年
板橋区立美術館
佐藤太清《冬池》1955年
板橋区立美術館