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秋草図屏風(あきくさずびょうぶ)
狩野了承(かのう りょうしょう)

 さわやかな秋風に、薄・萩・女郎花など秋の草花が身を寄せ合ってそよぐ姿を、金箔地の六曲一双の大画面にリズミカルに描いた作品。秋草が織りなす円弧の繰り返しがすずやかなハーモニーを奏でる。背景は金箔で埋め尽くされ、何も描かれていないが、見る者は秋の草原に立っているように感じることができる。了承67歳にあたる天保5 (1834)年の制作であることが、款記によって判明する代表作。
 作者の狩野了承(1768〜1846)は江戸後期の表絵師※。酒田に生まれ、江戸へ出て深川水場狩野家の梅笑師信の養子となり、父の没後家を継ぐ。初め信川、名を賢信といい、享和2(1802)年に了承と改名する。画を鍛冶橋狩野家の探信守道に学んだせいか、やまと絵に巧みである。本図のような琳派を思わせる装飾感覚にあふれる作品も遺す。同門の沖一峨が風俗画や琳派、写生画など幅広い他派の摂取をしたのと気脈を通じ、探信の大らかな教育が想像される。
※表絵師 江戸幕府に仕えた絵師の職位のひとつで奥絵師の門人・分家が独立を許されたもの。15家がある。

KANO Ryoushou

板橋区立美術館 収蔵作品
紙本金地著色 (各)125.0cm×313.6cm 1834年


板橋区立美術館 ねっとび


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