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Bologna Report 2005 Shinichi Maruoka image

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たくさんの人が集まるエントランス。いざ会場へ

ぼくにとっての初ボローニャ

 以前から憧れて興味は抱いていたもののずっと行く機会を逃していましたが、今回の原画展入選をきっかけに、思い切ってボローニャをたずねてみました。初の海外旅行でもあります。

 見本市会場は、世界中から絵本に関係するありとあらゆるものが集まっています。会場は圧倒されるほどの広さで、その中にぎっしり絵本が詰まっているといった感じ。どこを見ても絵本、絵本、絵本……独特の雰囲気は、絵本好きなら自ずとわくわくしてしまいます。

売り込みはたいへん!

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入選した絵の前で

 広い会場では、世界中のイラストレーターが大きなファイルを持って、出版社に売り込みをしています。初参加のぼくは、とりあえず一巡りするだけでクタクタに……。

「それはお前の作品か?」
 同じように売り込みをするイラストレーターや編集者、いろんな人に話しかけられました。なんせ、ぼくはB3の原画を数枚、何にも挟まずむき出しで、会場を歩いていたんです。

 初参加ゆえのたくさんの反省。出発前になかなかイメージがつかめず、納得のいく準備はできなかったこと。作品を売り込むための資料は、持っていけるものは念のため何でも持っていきました。しかし、会場ではさんざん歩き回るので、無闇に多量の資料があっても大変です。ちょっと悲惨でした。
 コピーやプリントアウトしたものしかない作品については、「原画はないのか?」と出版社の人に聞かれたりもしたので、原画そのものを見せたほうがより売り込みしやすいようです。
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ベルギーの出版社に絵を気に入ってもらいました

 また、絵本のストーリーを中心に見る出版社もかなりあるので、英訳付きのダミー本もあった方が、その後の展開が望めます。
 もう少しきちんと売り込みの準備をすればよかったと、今となっては反省するばかりです。

 不安だった言葉の問題は、それほど気になりませんでした。むしろ、言葉がよくわからないからこそ、多少図々しくもなれたと思います。自分の作品がたくさんのことを語ってくれたし、出版社の人の表情で反応がわかることもあります。まぁ、何回か重要な言葉を聞き漏らしているような気がしないでもないんですけどね……。

 そして、ぼくの作品にも、いくつかの出版社が興味をもってくれました。ボローニャの会場でだけでなく、日本帰ってからもそういった出版社ときちんとコンタクトを取って、絵本の世界とつながって行きたい。ボローニャの会場で出版社へ売り込みをすることによって、そんな希望を持つようになりました。

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これからボローニャへ行こうとしているみなさんへ

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志の同じ仲間たち

 自分を売り込むという作業は難しいことですが、その土俵としては最高の舞台です。会場では有名なアーティストに出くわしたりもするのでちょっぴりビビったりもしましたが、自分の作品をプレゼンをするのに有名も無名も関係ありません。出版社の人たちはほんとに真剣に見てくれました。とても大きな自信と経験を得ることができた、と思っています。

 そしてなにより大きかったのは、様々な出会いです。絵本好きの人たちと、絵本漬けの日々を過ごすことは貴重な経験でした。同じ目標を持つ素敵な人たちに出会えたことは、これからの励みになるでしょう!

 もっと早く行ってみればよかった。日本人はたくさんいるし、JBBYのスタッフさんたちも親切だし、何しろ楽しい! とにかく経験しないことには何も始まらないと思いました。
 こんなに楽しく、また、たくさんの経験と出会い……失敗や反省も含めて、大切な財産になったぼくの初ボローニャ旅行! それはもう一言ではとても言い尽くせないほど、中身の濃い一週間になりした。

イラスト/題字/写真/文 Shinichi Maruoka






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